知っておきたい株式譲渡の基礎知識!特徴や手続きの内容は?

2019.01.29

多くのユーザーに利用されるwebサイトをイチから構築するのは大変手間と時間がかかります。そのため、このようなwebサイトは大変貴重なものであり、高額でも購入したいという事業者も少なくありません。また、自分の育てたwebサイトを売却して現金化したいという人もいます。そのときに活用するのがサイトM&Aです。このサイトM&A及び中小企業のM&Aの方法のひとつとして株式譲渡があります。本記事では、株式譲渡はどのような特徴を持っているのか解説していきます。

1.株式譲渡とはどういうもの?

株式譲渡とは、売り手企業の経営者が保有株式を買い手に譲渡し、それによって会社の経営権も買い手に譲り渡すことを指します。この株式譲渡は、中小企業のM&Aとしてはメジャーな方法となっています。売り手と買い手の双方が合意した内容の株式譲渡契約書を結び、買い手は経営権を獲得する対価として現金を支払い、株主名簿の書き換えを行って完了するとてもシンプルな取引です。この手続きの簡単な点が、ほかのM&A手法と比べて中小企業に株式譲渡が好まれる理由です。とはいえ、なぜ株式を譲渡すると会社の売却が可能になるのでしょうか。

株式の所持率が高いほど経営上の権利が強くなるため、一般的に発行済み株式の過半数を所持すると経営権を掌握することが可能になります。そして、過半数以上の株式保持者は取締役や監査役の選任といった会社の重要事項を自分一人で決定することができます。また、株式の保有比率が3分の2以上となると、社名の変更などより重要な決定をすることも可能です。株式譲渡では、買い手側に対して、売り手の保有している全株式を売却します。従って、株式譲渡によって経営上の全権限を相手側に譲渡することが可能となるのです。

2.株式譲渡をするメリット・デメリット

自社の事業やwebサイトの売却のために株式譲渡と検討しているのならば、そのメリットとデメリットについて把握している必要があります。それぞれについて詳しく説明します。

2-1.株式譲渡のメリット

1つ目のメリットとして、最短期間で譲渡ができる点が挙げられます。単純に言うと、株式譲渡は契約書を作成して双方合意すればそこで完了です。ほかのM&A手法を選択すると、株主総会の承認などが必要となり時間がかかり、最悪の場合、反対の株主が多ければM&A自体が実施できない可能性もあります。その点、株式譲渡では株主総会の承認も不要のため、一連の処理をスムーズに行うことができます。

株式譲渡のメリットの2つ目として、株式を譲渡する側は、株式の公開をするよりも早く現金を手に入れられる点が挙げられます。先に説明した通り、株式譲渡は手続きが比較的簡単で短期間で完了でき、売り手側の経営者に直接株式譲渡の対価が支払われます。特に、売り手経営者の事情により、早急に現金が必要となる場合に非常に有効です。

3つ目のメリットは、株式譲渡による会社の売却が行われても、基本的に株主が変わるだけで会社は現状のままで存続するので大きな変化がない点です。したがって、取引先や従業員への負担は少なくて済みます。

2-2.株式譲渡のデメリット

株式譲渡のデメリットとして、会社名、会社が所有している債権債務、契約関係のすべてが引き継がれるため、買い手側は未知の問題点を引き継ぐリスクがある点が挙げられます。もちろん、M&Aを実施する前にも、デューデリジェンスと呼ばれる事前調査を行います。しかし、そこでは判明しなかった事柄、たとえば自社には不要な経営資源、賠償義務、簿外債務なども引き継いでしまいトラブルに発展するおそれがあります。

こうしたリスクを避けるために、株式譲渡を行う前にデューデリジェンスを綿密に行う必要があります。また、問題が事前に発覚した場合、その問題点を踏まえたうえでも買収するメリットがあるかどうか議論する必要もあります。一方で、これらの問題点は株式の売り手側のリスクにもなり得ます。たとえば、自社の抱える問題点を隠蔽して株式譲渡を行ない、後々トラブルになったと仮定します。その際に、自社の評判が下がったり、訴訟費用などのコストが発生したりするおそれがあります。こうしたマイナス要素を考慮すると、株式譲渡の手続きを進めるうえで、自社のマイナスの要素もすべて伝えたうえで行うのが得策と言えます。

3.株式譲渡をするための手続き方法

株式譲渡の手続き方法として、双方が合意した内容の株式譲渡契約書を締結し、支払いが行われた時点で株主名簿の書き換えをするだけで完了します(但し、上場企業の場合には、公開買付が必要となる場合もあります)。

文面にすると非常に簡単な手続きですが、注意すべき点として、譲渡制限のかかっている株式の場合は、株主総会の承認が必要となり、それに伴う手続きが発生します。但し、ほかのM&Aの方法と比較すると、多少手続きも簡単なためやり方さえ抑えておけば問題はありません。

その手続きとして、まず会社に対して株式譲渡承認の請求を行います。株式譲渡承認請求書と呼ばれる書類を株式譲渡する側とされる側が共同で作成・提出する必要があります。そして、所定の機関、たとえば取締役会または株主総会で承認手続きを実行します。その後、株主総会や取締役会における決定事項を請求者に通知します。株式譲渡の承認が取れたら、トップの面談やデューデリジェンスを実施し、売り手側と買い手側の双方が株式譲渡に合意したら、譲渡契約書を作成します。

4.株式譲渡契約書の内容とは?

株式譲渡を行うにあたり、その株式と譲渡の対価となる現金の交換を保証するために株式譲渡契約書を作成する必要があります。株式譲渡契約書の必要事項は以下の通りとなります。

・株式会社の情報
・株主の氏名
・株式譲渡価格
・対価の支払い方法
・期限
・株式譲渡をする目的
・損害賠償に関しての内容
・株主名簿の書き換え請求に関しての内容

ちなみに、株式譲渡契約書は非課税の文書であり、収入印紙の貼り付けは不要となります。しかし、株式譲渡に伴う代金が契約書の締結時点で支払われており、その旨が株式譲渡契約書に記載されている場合、課税文書の対象となります。この場合は、収入印紙の貼り付けが必要となるので注意が必要です。

5.株式譲渡の際にかかる税金は?

株式譲渡を行う場合、ほかのM&A取引の例に漏れず税金が発生します。株式譲渡でかかる税金と節税対策をおさえておきたいところです。

株式譲渡をする際の税金は、申告分離課税で算出する必要があります。申告分離課税とは、通常の給与所得や事業所得の合計とは区分して税金を計算する方式です。これはつまり、会社の事業でどの程度稼ごうと株式譲渡に伴う税金の計算には影響しないということを意味します。なお、株式譲渡の税金計算では、売り手が個人か法人かによって課税金額が異なります。支払う税金の種類や金額が異なってくるので注意をする必要があるのです。

株式譲渡を実施すると、決して少なくない金額の税金が課せられることになりますが、株式譲渡で利用できる節税の手法があります。その方法とは、株式譲渡代金の一部を退職金として受け取り、株式譲渡に課税される税率よりも低い税率が課税させるやり方です。これは、売り手側だけでなく、買い手側にとっても有効な点があり、退職金として支給した譲渡代金の一部を損金に参入することができ、税額を抑えることが可能となります。

6.会社を存続させるための手段である株式譲渡

株式譲渡は、会社を存続させるための手段であり、ほかのM&Aの手法と比較して手続き方法もシンプルで実行しやすいです。もしwebサイトの売却や購入を検討しており、株式譲渡を活用したいと思う人は、ReSite(リサイト)などのサイトM&Aのプロフェッショナルに一度相談してみてください。