webサイト売買は節税になる?売却益や購入費用の税務処理はどうするか

2018.12.18

一般的に、事業を売買しようとするとそれなりに人的・時間的なコストがかかります。それに対して、web系のメディアは比較的手軽に構築できるため、webサイトの売却、特にアフィリエイトサイトの売却は人気を博しているのです。また、アフィリエイトサイトを運営して収益化を図る場合、検索エンジンなどのアップデートなどでしばしば利益率が変動します。それに比べて、サイトの売却では一定の利益が期待できる場合もあります。そして、買う側も節税になるというメリットがあります。
このようなサイトの売買が税務上ではどのような扱いを受けるのか、詳しくみていきましょう。

1.なぜ人気?webサイトの売買に企業が注目する理由

webサイト売買には、主に2つのメリットがあります。1つは、事業投資による節税効果です。もう1つは、自社のオウンドメディアになるという利点が挙げられます。webサイト売買は、まさに一石二鳥ともいえる有益なビジネスとして人気があります。

1-1.webサイトに投資することで節税ができる

事業には波があるもので、利益が出るときもあればまったく出ないときもあるでしょう。たまたま事業が流れに乗って一時的に利益が出たというケースも少なくありません。たとえば、仮想通貨事業などはそのようなわかりやすい事例のひとつといえるでしょう。そうした場合に、利益をそのまま計上してしまえば、税金が高くなってしまいます。一次的に税金だけが高くなって、その後の事業の収益が下がるなどという事態になってしまっては資金繰りが苦しくなってしまいます。

そのような事態を避けるために有効なのが、新しい事業への投資です。そこで、一つの投資方法としてwebサイトの買取があります。webサイトは、それ自体が広告であり、なおかつ半自動的な収益をもたらしてくれるというコストパフォーマンスの高い特徴を持っている場合もあります。もちろん、webサイトの購入費用は経費計上することができます。節税対策だけではなく、収益性の高い資産になりうるのが、webメディアです。

1-2.自社のオウンドメディアになる

webサイトには広告の機能があるという点については前述しましたが、企業の広告となるメディアのことをオウンドメディアとよびます。一般的に、ゼロからオウンドメディアを作っていくとなると、かなりの労力と時間が必要となります。良質のコンテンツを検索エンジンに最適化させながら増やしていくという作業は、並大抵のものではありません。それに対して、すでに一定数の顧客が見込めるwebサイトであれば、マーケティングのパフォーマンスはかなり高いでしょう。webサイトを購入するということは、投資効率の良い広告塔を手に入れるということになります。

2.節税するには条件がある?webサイトの購入が節税になる仕組み

webサイト売買は、投資としてのパフォーマンスはかなり高い部類といえます。それは、webサイト自体が収益を生み出す仕組みを持っているからです。そのため、税金の扱いは少し複雑になっています。特に注意すべきは、webサイトを資産として扱うかどうかという点です。その仕組みについて説明していきます。

2-1.webサイトの購入費用の会計処理

webサイトを購入すれば、その費用は経費として計上することができます。一般的に、購入したものが資産として残るものでなければ全額経費になりますが、土地や建物などの資産は原則として一般の経費にはならないのです。そして、webサイトは資産として扱われる場合もあります。もし資産として扱われるのであれば、土地や建物のように年数に応じて価値が下がることによって、その損失分を経費計上できるという減価償却費の形を取らなければなりません。この場合、webサイトの購入に充てた費用を5年で償却することになります。一方、webサイトが資産とみなされない場合もありますが、このようなケースでは、webサイトの購入費用を全額経費として一括で計上することが可能です。

2-2.一括と5年償却の分かれ目とは

webサイトは資産の側面があるものですが、資産とみなされないケースもあります。その違いが、経費を一括で計上できるものと5年償却になるものとの分かれ目になります。その分かれ目は、webサイトにソフトウェアが組み込まれているかどうかになります。もしもwebサイトにソフトウェアが組み込まれているようであれば、そのwebサイトは資産とみなされ、5年で償却することになるのです。ソフトウェアが組み込まれているという判断基準にはいくつかあります。代表的な例としては検索機能がついている、ログイン機能やオンラインショッピング機能があるなどの他に、予約機能やゲーム機能、動画配信機能の有無などが挙げられます。

2-3.基準があいまいなソフトウェア

webサイトが資産とみなされるかそうでないかというのは、節税という観点からするとかなり重要なポイントになります。それほど重要な要素にもかかわらず、その実際の基準はあいまいなものです。たとえば、ワードプレスなどはMySQLなどのソフトウェアが組み込まれていますが、ソフトウェアとはみなされません。つまり、ワードプレスサイトは一括で経費計上することができます。このようなあいまいな基準になるのは、未だwebメディアの売買における税法の整備が行き届いていないことが要因として挙げれらます。

3.高収益のwebサイトも一括償却できる?複雑な税務の取扱い

前述したように、webサイトを購入した場合、一括で経費計上できるものと減価償却費として扱われるものとに分かれます。これは、webサイトにソフトウェアが組み込まれている場合、そのwebサイトが無形減価償却資産としてみなされることが理由です。この無形減価償却資産は、耐用年数を5年として計算されます。「5年で償却」というのは、資産の種類によって何年で償却するのかという決まりがあるからです。また、サイト売買に絡んでくる要素として収益性のばらつきがあげられます。webサイトとひと口にいっても、月に何百万円という利益をあげているサイトもあれば、ほぼ収益ゼロといったものまで差があります。

webサイトの価値は、その収益性だけでは判断しにくいものです。ときには、webサイトが将来的に収益性が高くなることを見こして多めの買値で購入することもあるでしょう。そうなると、購入時点でのwebサイトの本来持っている価値より高い価格で購入してしまうことになります。その場合は、サイト本来の価値と考えられる値段と買値の差を5年で減価償却することになるのです。いわゆる、のれん代という扱いになります。たとえば、毎月100万円の利益を出すサイトを2000万円で購入したとして計算すると、サイトの価値を100万円としてその差額である1900万円を5年で減価償却することになるのです。ただし、まだまだ税法上の線引きが定まっていないため、こうした部分は顧問税理士に確認しておくことが必要です。

4.webサイトを売却したときの収入は税務上どう取り扱うか

webサイト売買において、買取は節税の手段としては効果が高いということができるでしょう。その一方で、サイトを売り払ったことによる収益にも税金がついてまわります。その税金の計算は、サイトを売却した人が法人か個人かで違ってきます。

4-1.法人の場合

法人、つまり会社としてサイト売買をした場合、サイトの売却によって得た利益はそのまま会社の利益として計上します。これは事業所得に分類され、税金は総合課税方式で計算されるのです。他の事業による利益とサイト売買による利益を合計して、所得税が決まります。

4-2.個人の場合

サイト売買を個人で行う場合、法人とは違うカテゴリで扱われます。サイト売却で得た収益は、事業所得ではなく譲渡所得に分類されます。譲渡所得の場合、その税金はサイトの運営期間の長さによって変わります。その分かれ目が5年であり、webサイトの運営を始めて5年以内であれば払う税金が高くなるのです。反対に、5年以上であれば安くなります。前者が短期譲渡所得、後者が長期譲渡所得とよばれるものです。長期譲渡所得であれば、所得の2分の1だけを税率計算に加えるだけですむため節税効果が高くなります。譲渡代金に所得税がかかるのが個人のサイト売買の特徴ということは頭に入れておきましょう。

5.webサイトの売買は一度だけにあらず!高収益化して転売もあり

webサイト売買の面白いところは、価値が流動的だということです。サイトを丁寧に手入れすれば、買収後さらに収益力のあるサイトに成長させることもできます。反対に、ぞんざいに扱ってしまえばサイトの検索順位なども低下することで価値が下がることもあるでしょう。不動産などであれば時流の流れなどその時の需要と供給という外部要因に大きく左右されます。それがwebサイトであれば、運営主の努力と工夫次第で伸ばせる可能性があるのです。

そのように買収したwebサイトをさらに自分で育て上げ、買収時よりさらに収益性の高いサイトになればチャンスといえるでしょう。そのサイトを、今度はもっと高値で売却することができます。安値で掴んだサイトを高値で売るということになります。投資の基本ともいえる「安く買い、高く売る」という手法を実現できるのです。webサイトは買って終わりではなく、高収益化して転売することも視野に入れておくとよいでしょう。

6.webサイト売買の会計処理はその都度顧問税理士に確認しよう

webサイト売買における経費計上は、税理士によっても処理が異なる分野です。法整備がwebの発展に追いついていないため、これを資産と扱うかどうかもあいまいな線引きになります。しかし、仮にソフトウェアが組み込まれているwebサイトであっても、広告宣伝費として全額一括で経費計上するというやり方もあります。このような会計処理については難しいところであり、詳しいところはその都度、顧問税理士に確認しておくようにしましょう。また、webサイト売買に興味があるのであれば、サイトM&Aのリサイトに相談してみるのも選択肢のひとつです。